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AWS re:Invent 参加7回目のエンジニアがおくる re:Invent 2019 おすすめの過ごし方

夏が終わって、今年も AWS re:Invent の時期が近づいてきました。 AWS 最大のグローバルカンファレンスである re:Invent の動き出しはかなり早く、5,6月にはもうチケットが売り出され、人気のあるホテルはそのくらいの時期に抑えないと部屋がなくなってしまう… というくらいのカンファレンスになっています。

今の会社に新卒入社してから、幸運にも毎年 re:Invent には参加できていて、登壇などもありつつ、今年で7回目になります (初回である2012年はまだ学生だったので行けなかった)。もはや re:Invent に行かない自分が想像できないレベル。

さすがに7回も行くと、いろいろわかってくることもあり、最近では自社でまだ参加していない人を積極的に連れ出すということをやったりしています。 その中で、「re:Invent にせっかく参加したならこんな感じで動くと良いよ」みたいなドキュメントを書いており、また去年はセミナーなんかでもお話する機会があったのですが、クローズドな環境で眠らせておくのももったいないなーと思ったので、「現地に行ける人」がどう行動するとより楽しめるのか、を文章として改めて書いてみようと思いました。今年のセッション予約は 10/15 (PDT なので日本では 10/16 超早朝かな) ですので、その前に気持ちを作っておく助けになればと思います。

基本原則

re:Invent の過ごし方としてもっともおすすめなのは、「現地でしかできないことに全力を使うこと」です。日本でできることは日本でやれば良いのです。

やりがちなこと

やりがち、というより、過去の自分がやって微妙な気持ちになった行動です。

セッションにずっと張り付く

会期中ずっとセッション (通常の発表) ばかりに張り付く、というもの。 re:Invent のセッションはそのほとんどが YouTube で資料ごと公開されます。聞くだけで全部理解できる方ならまだ良いですが、英語力に自信のない方はなおさら、通訳もないセッションを時差ボケの頭で頑張って聞くよりも、手と頭を動かしながら何かできるところへ行ったほうが面白いです。

ただし、Keynote や発表された新サービスのセッション、どうしても気になるセッションはやはり別。現地で周囲の雰囲気も含めて見ることはとても楽しいし、ためになると思います。

日本人とずっと行動する

会期中ずっと日本人と行動してて日本語しか話さず「モチベ上がった!来年は英語頑張るぞ!」になっちゃうパターン。まあいいとは思うんですが、 AWS Summit Tokyo で良いのでは、と個人的には思ってしまいます。 セッションやワークショップで隣で座った人と軽く話してみたり、日本人がどこに行くかは気にせず自由に行動するほうが刺激にはなるんじゃないかなと思います。

ちなみに某社では3人以上固まって行動するのはご飯のとき以外はやめようね、ということにしたりしています。

無限に名刺交換してる

自分がそういう役割なのだったら良いとは思うのですが、日本人が集まる店やパーティばかりに行っていても正直あまりグローバルカンファレンスに来た!という感じはしないんじゃないかと思います。re:Invent が提供しているスポンサーパーティである Pub Crawl とか、各社がそれぞれ開催してるレセプションとかに適当に遊びに行ったりするとかをやると、他社のエンジニアやスポンサー企業の (普段使ってるあの SaaS みたいな) 開発エンジニアとかと直接話す機会も得られて結構面白いです。

もちろん、普段会えない日本人と会うチャンス、というのもありはするのですが。二次会くらいから行く、でも十分話せるんじゃないかなと思います。

現地でしかできないことをやる

というわけで、上記のようなありがちな失敗は避けて、巨大な re:Invent を全力で楽しむためにはやはり現地でしかできないことをやるのが一番です。

Keynote を現地で見る

re:Invent の Keynote はめちゃ巨大です。どのくらかっていうとうまい表現が見つからないのでぜひ会場で見てほしい。会場の雰囲気、熱気、何かが発表されたときの会場の反応なんかも含めて、現地で楽しむといろいろ思うところが出てくると思います。

手を動かすイベントに参加する

セッションと同じ枠ではあるものの、ワークショップは実際にサービスを使って何かを作ってみるという内容になっています。ほとんどのワークショップではきちんとドキュメントが用意されているしサポートも手厚いので、実は英語が苦手でもぜんぜん楽しめます。 僕もいろいろなワークショップに参加しましたが、 DynamoDB の中級者向けデータモデリングを手を動かしながら学ぶものや、 Raspberry pi で Alexa Skill を作ってみるものなど、楽しいものがたくさんありました。

他に、GameDay や Security Jam, Hackathon といったイベントもあります。これらのイベントはかなりまとまった時間を使いますが、色々な国、色々なバックグラウンドのエンジニアとチームを組んで問題を説いていったりアーキテクチャの議論をするのはとても楽しいものがあります。僕は毎年 GameDay に参加しています。時折日本に持ってきて開催されるものもありますが、やはり本場の規模感と空気でやるのはすごく楽しいです。

Expo を回って喋って触る

いわゆるスポンサーブースも非常に巨大です。各社結構力を入れていて、営業だけでなく開発エンジニアがいたりするケースもあります。大きなブースだけでなく、小さなブースにも、数年後に日本にやってきてブレイクするようなサービスもありますので、普段聞いたことのないようなブースに行ってみるのが良いでしょう。 他にも、巨大レゴだったり卓球台だったり IoT おもちゃだったりといった体験できるものが色々と置いてあるので、そういうものに触れるのも楽しいです。

なんかこう、話を聞くつもりはないがTシャツだけくれ!みたいなのは、やらないほうが良いと思います…

本当に出たいセッションに出る

冒頭で YouTube で見れるとか書いたのですが、それでも生で見たいセッションはありますよね。 個人的なおすすめはやはりある程度ハイレベルなセッション。ハイレベルといいつつ、その分野の基本知識があれば十分ついていけるものが多いと思います。 かつ、グローバルでやっていっている会社の話を聞くのが良いのではないでしょうか。(今年も出てくれるのかわかりませんが) Netflix とか Airbnb とか。

とりあえず今から何をしたらいいか

どのようなセッションが開催されるのかという Session Catalog は実はもうすでに公開されています。で、予約開始が米国時間の 10/15 (火) です。日本では直前セミナーが10月末〜11月くらいに開催されたりしていますが、その頃には埋まっているセッションやワークショップも多いです。 というか、人気のあるセッション、ワークショップや GameDay, Security Jam などは瞬殺に近いくらいの勢いで予約枠がなくなります。一昨年あたりは予約開始と同時にアクセス殺到でサイトが落ちたりしていたくらい。

というわけで、いますぐ Session Catalog を眺めて、気になるセッションをチェックしておきましょう。その際、開催時間が重複しないか、と、ホテル移動の時間が考慮されているかをよく確認しましょう。

というのも、マップを見るとわかるのですが、re:Inventの会場はいくつかのホテルに分かれています。隣のホテルじゃん楽勝!みたいに思うこともあるかもしれませんが、ラスベガスのホテルは日本やアメリカ他地域のホテルと比べても異常に巨大で、カンファレンスが行われているエリアから表通りに出てくるまで徒歩15分、そこから隣のホテルの入り口まで徒歩10分、そこから… みたいなこともザラにあります。専用シャトルバスもありますが、バスを使ったとしても Keynote などが行われる Venetian から、いちばん端の MGM Grand まで移動するのに3,40分はみたほうが良いです。

説明を読む限り、今年はホテルごとのセッションテーマ (Security とか ML とか) は設定されず、あらゆるジャンルのイベントが全てのホテルで分散して行われるようなので、どのような動き方をするかがより重要になります。

参加するイベントを決めたら、あとは予約開始と同時に素早く予約するだけです!万一予約が溢れてしまったら、当日早めに並べば入れることもあります。

AWS 認定は持っておくと便利

re:Invent に行くにあたって、流石にまったく AWS わからん!という人はいないと思うのですが、もし不安があるなら AWS 認定試験を受けておくのがおすすめです。 AWS 認定 SA なら Associate レベルでも割と広い範囲のサービスをカバーしているので、たとえ自分の専門範囲外だったとしてもそれぞれのサービスにとっつきやすくなります。

それに加えて、認定を持っていると各ホテルに用意された Certificate Lounge が使えるという利点があります。re:Invent の会場を見渡すと、もちろんある程度の飲み物や電源などは確保されているもののやはり数は(人数に対して)少ないです。

その中で、Certificate Lounge では水やジュースなどの飲み物に加えてお菓子なども置いてあり、さらに電源がある席もちらほらあります。入れる人が絞られている分、電源を得られる可能性も高いです。

というわけで、色々な意味でお得なので、ぜひ出発前に取得しておくことをおすすめします。

おわりに

以上、re:Invent にはじめて、あるいは1,2回参加したけどあまり…な方に向けた、個人的なおすすめの動き方ガイドでした。 この他にも re:Invent には体を動かすアクティビティとか、チキン大食いとか、re:Play などのイベントがたくさんあります。ぜひ re:Invent のサイトをくまなくチェックしながら、自分にとって1000%楽しめる楽しみ方を見つけてみてください。

ご質問などありましたらお気軽に @kani_b まで!