水深1024m

技術的なメモとか日記的なもの

2020年の振り返りと2021年

振り返りというのを2017年以来書いてなかったようなのだけど、イギリスに移住するというビッグイベントもあったのでざっくりと書いてみます。

イギリス移住

今年最も、そして人生の中でも結構大きいイベントでした。仕事で機会がありイギリスに移住しました。イギリス移住といえば…のロンドンではなく、ロンドンから遥か西にあるブリストルという街にいます。日本人には同僚以外ほとんど会ったことがないです。

2019年の夏くらいに行くことは決めていて、本来であれば2020年4月には移住する予定でした。が、突如襲った COVID-19 への対応を全力でしていたこともあり、4月の段階では日本にいるべきという判断をして、延期していました。 その後も一向に改善しない状況を眺めつつ過ごしていたのですが、2020年も半年が過ぎようとするくらいの頃、人生における時間の使い方を改めて考えてみて、31歳の自分は今この瞬間にしかいないんだよな…みたいなことを思い、困難は承知の上でこのタイミングで渡航することにしました。妻の理解も得られ (というより大賛成だった) 、10月にターゲットを決めて移住することに。

移住そのものが正解だったかはまだわからない、というより自ら正解にしていく必要があるわけですが、今のところは心から来てよかったと思っているし、そんなに不自由なく生活しています。来た当初は周辺のスーパーの違いもわからない、ゴミの捨て方も知らない、備え付けの家電の使い方がわからない、手続き類はわからないうえに COVID-19 の影響でオペレーションが変わっていたりと本当にわからないことだらけで、自活できる大人としてのプライドをまあまあ傷つけられましたが、それまでできなかったことが実体験をもって理解できるようになるとちょっとレベルアップした気になれるように。

大きなトラブルもそこまでありませんでした。

  • 引っ越した初日にシャワーを使ったら盛大に水漏れして 「住人変わるたびに言ってるんだ、お前は悪くない」というコメントを階下からもらう
  • 仕方なくもう一つのシャワーを使ったら深夜に謎のサイレンが鳴ってブレーカーごと落とした (結局これはなんだったのか今でもわかってない)
  • 住んでるアパートが古すぎて防音の概念が一切なく、朝は下の階のテレビの音で目覚め、夜は上の階でドコドコ鳴ってる重低音を聴いて過ごしてる
  • 車で橋を渡るのに Contactless なカードがないといけないのを知らず、さらに手持ちのカードが通らずに橋を詰まらせる
  • 宅配が来てもインターホンの調子が悪いせいで誰も応答できず、結局同じアパートに住む全部屋の呼び鈴が押されるので誰かの荷物が来るたびに住人が全員集合する

くらい。

家の面積が日本と比べてかなり広くなったので、ついに念願の仕事部屋を得ることができその点でも満足しています。ほかには、人生で初めて食洗器や乾燥機 (一体型でないやつ) を使えるようになるなど、日本より環境がよくなったところも色々とありました。もう洗濯機の上で仕事しなくていいんや…

食事についてもよく聞かれますが、今のところ特にまっずー、みたいな体験はしておらず、外食 (COVID-19 の制限でほぼできてないけど) やデリバリーでも基本的に美味しい食事が出てきます。ほぼ自炊メインなので影響がないというのもありそうですが… 食材はとても良いと思いました。肉が安くて美味しいし、ラムが一般的に売られているのもうれしい。出張でアメリカやイギリスに行っていた頃は、外食せざるを得ないこともあって一週間も滞在すると正直胃がかなり疲れてしまい、「はよ帰りたい~」という気持ちになることも多々あったのですが、どんな材料でも自炊によって「自分に合う」食べ方をしているとそのへんはよくコントロールできるのかなと思います。 日本の食材も、調味料は近隣のスーパーにあるものもあるし、アジア系スーパーに行けば大抵のものは手に入ります。アジア系スーパーは思ったより周囲にあって、日本の食材以外に中国や韓国、ベトナムなどの食材も手に入るので、日本より本格的な料理が作りやすいように思いました。

逆に手に入りにくいものと言うと魚ですかね… サバやサーモン、タラ、シーバスあたりがよく売られているもので、ほかにマグロも売ってますが刺身では食べられないものが多い (たまーに Sashimi (Sushi) Grade と名付けられたものが売られていて、それは生食できる) 。あとはエビやムール貝、牡蠣あたりでしょうか。日本では刺身をよく食べていたけど、それは難しい。アジとかサンマもまだ見かけてないです。

秋に渡英したので、冬に向けて日が短くなる一方で、朝は8時まで暗く、16時には真っ暗…みたいな生活が続いており、こちらはさすがに調子に影響してきたなと感じています。ビタミンDのサプリ (この時期はみんなそうらしく、薬局で山積みされていた) やいわゆる SAD ランプを試しはじめました。きっとそのうち慣れるでしょう。 まあそんなこんなで元気です。

仕事

ずっとやってきた SRE の仕事を初めて完全に離れ、コーポレートエンジニアリングという、社内向けの情報システム部門のマネージャーをしています。 2017年までマネージャーをしていたチームの一つでもあります。コーポレートエンジニアリングという名前が気づけばそれなりに一般的になっている昨今は面白いですね。 情報システムの領域をソフトウェアエンジニアリングや SRE などのスキルや技法、経験などをもって再定義してみたい、きっと面白いんじゃないかという気持ちを当時から持っていて、改めて自分の主領域となった2020年もその気持ちのままやっていくぞ!と思っていたのですが、 COVID-19 によって良くも悪くも脚光が当たった年だったなあと思っています。コード書く時間も少し増えた。 感染者数が増え始め、会社が在宅勤務を決定した2月から半年近くは、とにかく人と組織の事を考え続けた半年でした。具体的にどんなことやってたかは会社のブログ記事にもしているのでよければどうぞ。日経ビジネスに自宅を取材されたりもして新鮮な経験だった。

techlife.cookpad.com

techlife.cookpad.com

個人的には、環境 "だけ" で考えれば、ある程度遜色なく働ける状況が作れたのではないかなと思っています。が、1年近くをリモート勤務で過ごしてみると、どうにも物足りなさを感じているのが最近です。視覚と聴覚以外に刺激がない、というのは結構大きいのかもしれないなと思っています。感染者数が増える一方で、ワクチン承認などの明るいニュースもイギリスでは出てきている (すでに数十万人以上が接種を完了しており、Oxford と AstraZeneca のワクチンも先日承認された) という状況ではありますが、まだしばらくは誰もが在宅勤務を選ばざるを得ない状況が続くのは確実で、その中で、そしてその先で何を選ぶのかというのを引き続き考えていくことになりそうです。

それに加えて、とあるプロダクトの責任者を務めることになり、特に夏くらいからはかなりの時間をそちらについて考えることに使っていたりしました。これまでの仕事で使っていなかった筋肉を使う仕事というのは何度やってもよいものだなと思います。

タイムゾーン

イギリスに来たこともあり、時間の使い方がより大事だなと思うことが増えました。日本と話せる時間は朝7時くらい~10時くらいに限られている (もしくは深夜0時以降…) ので、必然的に日本のチームに関する仕事は朝に詰めることになります。どうしても朝に体力を使い切ってしまって昼にはベッドで沈んでしまい、イギリスのことは午後にスロースタート…みたいな日もよくあり。同僚に迷惑かけてしまうこともありました。 もともとかなり夜型だったところを朝型に矯正せざるを得ない状況で、自分としても朝型に変えられるのは歓迎ではあったのですが、まだ体が追い付いてないなあと思ってます。この辺はより良い塩梅を見つけていきたい。

買ってよかったもの

移住を決めていたこともあったので、選び方が必然的に「日本でもイギリスでも使えるもの」に集中するのですが、いくつか挙げてみます。

Yeti Nano

在宅勤務がトレンドになった当初はテンション上がってたこともあって YAMAHA の AG03 と ShureSM58 を買ってワイワイしていたのだけど、どうにも自分の環境では使い勝手が悪いというか、単にオーバースペックだったこともあって結局 Yeti Nano に変えました。ショックマウントとアームも買って使ってますが、少なくともヘッドセットのマイクよりは良い音になっていると思います。

ヨーグルティア

イギリスで手に入りにくいものの一つとして納豆があります。アジア系スーパーに行くと、日本のパック納豆が冷凍で売られてるのですが、そこまで美味しいとは言えなかったです。我が家は夫婦そろって納豆が大好きで、これが手に入らないのはかなりつらい。それもあって日本からこれを持っていきました。これはガラス容器がセットになっていて、プラスチックのように納豆のニオイがついてしまったりということもなく安心して使えます。(ついでに、食洗器が熱湯でガシガシ洗ってくれる) 大豆は周辺のお店で安く手に入るので、だいたい1.5kgくらいまとめ買いして、300g くらいずつ作ってます。種として冷凍納豆を 1/4 ずつくらい使い、30時間くらい保温しておけば1週間分の納豆が手に入る。おいしい。

Nespresso Vertuo

コーヒーが好きで毎日飲むのだけど、渡英当初周辺に豆を買いに行くような余裕もなかったこともあり、ちょうど Prime Day で安くなっていたので購入。イギリスではスーパーでも Nespresso 互換のカプセルが売られているし良いんじゃないかなと思っていました。が、なんと自分が思っていた Nespresso とは違い、最近出ているレギュラーサイズが淹れられるタイプで、カプセルも全く違う。カプセルのバーコードを読んで最適な量や淹れ方を変えているようで、互換カプセルなんてものはない、とかなり誤算でした…

が、実際使ってみると、自分としてはちょうどよいサイズ (250ml など) のコーヒーが簡単に淹れられて、フレーバーも気軽に変えることができ、また (自分が思うに) 味も美味しいので十分満足。どのコーヒーを淹れても、クレマ (泡) がかなりたっぷりできるので、そこは好き嫌いが分かれるかもしれない。色々な豆を試したい、であったり、コーヒーを淹れる時間が好きであったり、そうしたことに強いこだわりがなければおすすめできます。自分は少なくとも日本に帰るまではこれで十分良いなと思いました。

MEATER

MEATER Original 10m True Wireless Smart Meat Thermometer for The Oven Grill Kitchen BBQ Rotisserie with Bluetooth and WiFi Digital Connectivity: Amazon.co.uk: Kitchen & Home

日本の Amazon ではまだ売られてないようなので UK のものを。塊肉に刺すための温度計で、 Bluetoothスマートフォンと接続して使います。肉の芯温と外気温が計測でき、一度刺したらそのままオーブンに放り込んで使えます。 ローストビーフはもちろんですがステーキなどにも便利。これの何が良いかと言うと、計測を絶えず続けながら調理できるので、これまで正直雰囲気で決めるしかなかった「オーブンに入れる時間」を簡単に「ターゲットの温度」という計測できるものに変えられるというところ。通常の調理用温度計だと都度刺して確認する必要があったので…

塊肉大好きなのだけど、調理のたびにちょっとドキドキさせられていたので、これはとても良い買い物でした。安くはないけど!

2021年

COVID-19 の影響はまだまだ続きますが、この地でしかできない、あるいは感じられないことをできるだけ多く経験しつつ、グローバルなプロダクトや組織をそれぞれどう創っていくのか、人にとって技術はどうあるべきなのか、といった大きな話を考え実践する一年にしていこうと思っています。振り返りに対してシンプルすぎる気はしますが、まああまり書きすぎても仕方ないので。 あとは最近ジョギングを始めたのでそれを続けられるようにしたい。。。

そんなわけで今年も楽しくやっていこうと思います。どうぞよろしくおねがいします。